デザイナーである今泉悠氏 が2009年に設立させた若手筆頭のブランド。
名前の由来は故郷の菖蒲(あやめ)の花、そして目を彩るという意味の"彩目"という造語を掛け合わて名付けられました。
その言葉には掛ける人々に華を添える眼鏡を創造したいという今泉氏の思いが込められています。
ブランド設立以前はイエローズプラスの山岸氏の下でデザインを勉強し、オーソドックスなデザインに自分のアレンジ=癖を残すようなスタイルにたどり着きました。
設立後は世界9カ国で人気を博したTHE道具の本『TOOLS 2012』に初めて眼鏡として選ばれたことで知名度が急上昇しました。
それ以降、日本のアパレル業界にも広がりをみせ、ファションにメガネを深く浸透させた先駆け的存在となりました。
デザイナーの今泉氏は新型を次々と生み出すスタイルではなく象徴的なデザインを作りブラッシュアップを重ねながら長く愛されるモデルを作り続ける日本のアイウェア業界では珍しいデザインとの向き合い方をしてます。
初回に発表している"0901 = NEWOLD"は今でも微細にデザインを変えながらもayameの定番として評判を得ています。
日本のブランドで10年以上も同じものを絶えなく販売し続けているブランドは、そう多くはなく一つのモデルを大切に育てていく思考を持つデザイナーです。
メタルの代表格である"MANRAY"は日本古来よりある、ブリッジとクリングスアームが一体型となる『マンレイ山』を全てチタン素材に統一させることでアクセサリーのような印象へと変化させました。それは他デザインにも流用し共通のパーツを受け継いでいくことでデザインへの愛着を感じることができます。
定番となった"GENERAL"はブリッジと智元のチタンパーツに菖蒲(あやめ)の花をモチーフにしたエングレービングを施しています。
そして、その独自性のあるオリジナルパーツは新作の"JURA"に引き継いでます。
また"SPIKE"はテンプルのアセテート素材の縮み防止のために取り付けた智元の金属を飾りパーツとしてデザインし、その後"SPD"と"FFF"に採用されています。
近年はファションアイテムとして目立つ存在となってますがアパレルだけでなく眼鏡屋が仕入れる理由の一つにその道具的思考があるのではと推察します。
今回は"MANRAY"からマンレイ山を受け継いでデザインされた"OCTA"をご紹介します。
昨今の眼鏡の形ではスタンダードシェイプに仲間入りした八角形のオクタゴン=octagonから命名されてます。
MANRAYの平たいリムとは異なり凹凸のあるリムを採用することで物質の濃度が高まり角張のあるシェイプはよりコアな層へ響くデザインです。
ayameの知名度が高くなったいま少しの玄人さを醸したいのであれば丁度良いところかと思いました。