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TOPEYEWEAR PEOPLE vol2 アイウェアLOVER、松島大介が紡ぐモノ・ストーリー
2023.3.6
EYEWEAR PEOPLE vol2 アイウェアLOVER、松島大介が紡ぐモノ・ストーリー
日々、数え切れないほどのアイウェアが販売、購入されている裏側では、使われなくなったまま放置や破棄されているという事実がある。しかし、古くて価値がないと思われるアイウェアでも、クリーニングやパーツ交換を施すことで新品同様に蘇る。私たちOurstrd.(アワスト)では、さまざまな人が大切に使うアイウェアにスポットを当て、利用者のストーリーを紡いでいくモノが持つ価値について考えていく。

コーヒーショップ「PADDLERS COFFE(パドラーズコーヒー)」の代表、松島大介さんは、ブランドものやビンテージのメガネを10本所有するアイウェアLOVER。そんな彼が愛用するモノには、どのような思い入れがあるのだろうか。
日々、数え切れないほどのアイウェアが販売、購入されている裏側では、使われなくなったまま放置や破棄されているという事実がある。
しかし、古くて価値がないと思われるアイウェアでも、クリーニングやパーツ交換を施すことで新品同様に蘇る。
私たちOurstrd.(アワスト)では、さまざまな人が大切に使うアイウェアにスポットを当て、利用者のストーリーを紡いでいくモノが持つ価値について考えていく。

コーヒーショップ「PADDLERS COFFEE(パドラーズコーヒー)」の代表、松島大介さんは、ブランドものやビンテージのメガネを10本所有するアイウェアLOVER。
そんな彼が愛用するモノには、どのような思い入れがあるのだろうか。

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(松島さんプロフィール)
松島大介

1985年、東京都生まれ。中学卒業後に渡米、ポートランドで学生時代を過ごす。2013年に共同代表の加藤健宏とともに「PADDLERS COFFEE(パドラーズコーヒー)」を設立。15年に渋谷区西原に旗艦店を開店。2021年7月に、かつての実家があった中野駅北口の土地に新店舗「LOU(ルー)」をオープン。https://www.instagram.com/lou_nakano/
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ポートランドで見つけた、自分に合ったメガネのスタイリングとは
中学生の頃からメガネを愛用している松島さん。
彼がメガネに目覚めたきっかけは、中学校を卒業し留学のため渡ったアメリカ・ポートランドで、スケートカルチャーから派生したストリートファッションに出合ったことだった。

「スケボーにどっぷりハマりましたね。ファッションも古着が中心。自分のトレードマークであるキャップをかぶり始めたのもこの頃で、当時から集めて今では100個くらい持っています。その日着る洋服を選ぶより先に、まず帽子から決めていました。同時に、キャップを選ぶ感覚で、合わせるメガネでも印象が大きく変わるなと感じ始めて。キャップ選びより先に、今日の気分にあうメガネを選ぶ日が増えていったんです。このメガネをかけるから、今日はこのキャップにして、それにはこの服だな、と」



クラシックでありながら、遊び心が感じられる松島さんのメガネコレクション
スタイリッシュなメガネよりも、クセがあったり、ナードに外しを効かせたメガネが好きだという松島さん。
気に入ったフォルムのメガネは素材違いで複数買い集めたりもすると言う。

「今特に気に入っているのはEYEVAN(アイヴァン)のメガネです。ずっと持っていたヴィンテージのメガネと似た形で、それよりももっと自分らしく感じられて。最初はスモークのフレームを買ったんですが、あまりにも気に入ったのでクリアとべっ甲 カラーも買いました。
最近かけ始めたMYKITA(マイキータ)のツーブリッジも自分の中では新鮮でしたね。今までなら選ばなかったタイプですが、かけてみたらすごくしっくりきて。
洋服はアメリカのヴィーンテージやストリートな服を普段着ているんですけど、メガネは細身のメタルフレームを合わせるとコーディネートに面白みがあっていいなと思っています」
本日の撮影場所「LOU」は、1階がカフェ、2階は客室、3階はイベントスペースになっていて、実はもともと松島さんの実家があった場所。
祖父と祖母はここで時計店を営んでいたが、そこにはメガネも扱っていたという。

松島さん自らデザインを担当した3階は、カフェスタッフの休憩場所にもなっていて、知人から譲り受けた70年代のレコードプレーヤーとスピーカーから心地よい音楽が流れる空間だ。
緑豊かな植栽で満ちたテラスからは、インパクトのある中野ブロードウェイの看板が目の前に見える。

「家業を継いだ父との会話で、べっ甲のメガネを『これは亀の甲羅でできているんだよ』と教えてくれたことをとても覚えているんですよ。それで、べっ甲のメガネには特別なノスタルジーを感じていて。あまり自分は似合わないと思っているんですけど(笑)。でも、べっ甲の色みや質感は好きなので、つい集めてしまいますね」


自分の個性を強く表現できる、ファッションアイテムとしてのメガネの面白さ
松島さんにとってメガネは、優先度がかなり高いファッションアイテム。メガネの面白みをどう感じているのか尋ねた。

「メガネは自分の個性を強く表現できるアイテムだと思います。洋服を着ることもその人の個性を表現することですが、それとはまた違った面白さがあります。
そしてなにより、メガネを選ぶってめちゃくちゃ楽しい。そのとき気に入っているモノを自然に選ぶこともあれば、気分を変えたい日にいつもなら選ばないメガネをかけて遊ぶこともできる。そういった振り幅があるところが面白いですね」


一期一会の出合いで集まったマグカップ
松島さんが2013年にスタートさせた「PADDLERS COFFEE」は、ポートランドを代表するロースター「STUMPTOWN COFFEE ROASTERS」の豆を取り扱う日本唯一の正規取扱店としてスタート。
松島さん自身、自宅でもコーヒーを楽しんでおり、マグカップは自然と集まっていったそう。今日はそのコレクションから一部だけ持ってきてもらった。

「コーヒーマグって自由度が高いところが面白い。コーヒーが注げさえすれば色も形も大きさも何でもいいじゃないですか。ポートランドの友人が作っているマグも今日持ってきましたが、形もボコボコでハンドルの形もいびつ。でもそこになんともいえない愛着が湧くんです」
膨大なコレクションのなかでも、特に思い入れがあると語るのが、ニューヨーク・ブルックリンの陶芸作家「Shino Takeda」の作品。

「たまたまアメリカのセレクトショップで目についたマグの裏に“Shino Takeda”と書かれてあったんですよ。調べてみたらホームページがあって、気軽にコメントしてみたら、『今度ニューヨークに来たら遊びにおいで』とすぐに返事が来たんです。なぜかその人にすごく興味が湧いたので、会いに行ったんですよ。『本当に来たんだ!』と驚いてましたけどね(笑)。それから仲良くなって、PADDLERS COFFEEではShinoさんのカップでコーヒーを出しています」

定番のファイヤーキングも一時期は集めたものの、今はクラフト寄りのモノのほうが好きだと松島さんは言う。

「マグカップは“出合い”ですよね。どこで見つけたとか、誰が作ったとか、そういう何かしらストーリーがあるモノのほうが愛着が湧いて長く使えるんですよね」



その日の気分で選び使い続けることで、毎日がハッピーになる
家で飲むコーヒーのためのマグ、そしてファッションアイテムの必需品であるメガネ。どちらも“自分の気分次第”で選ぶと話す松島さん。
彼のモノへの愛着はどこにあるのか。

「メガネは他人からの印象を左右するアイテムですが、どれを選ぶか決めるとき、他人に見られること以前に、“自分が今日なにを使いたいか”という気分を大事にしています。家でコーヒーを飲むところなんて誰も見ていないですが、どれがいいかなって選んで使っているんですよね。そうすることで毎日を気持ちよく過ごせる」

ただ収集するだけでなく、日常で使うのが松島さんのモノとの付き合い方の流儀だった。そこには呼び起こされる記憶があったり、生活のちょっとしたシーンで少しだけ気分を高揚させてくれたりもする。
そんな生活はまた、松島さんに小さなストーリーを刻み続けていくのかもしれない。


photo: Wataru Kakuta
words: Tsuzumi Aoyama
direction: Hajime Sasa(Roaster)
Arata Kobayashi(Roaster)
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